どうも、妻です。
長々続けました読書感想文の書き方、最後です。
「おすすめ本」を大まかな学年ごとにあげてみたいと思います。
読み物(日本と世界の作者)は男子向け・女子向けをそれぞれ1冊ずつ、それにプラスして知識の本1冊です。
幅広い年代で使える本もあるので、分けた学年はあくまで目安です。
大人が読んでも面白い本も多いので、この機会にぜひ読んで、面白かったものを自由にお子さんにすすめてみてくださいー。
小学校低学年向け
☆日本の作者
〈女子向け〉あのときすきになったよ 薫 くみこ 作 飯野和好 絵 ISBN: 9784774604299
〈男子向け〉ともだちやもんなぼくら くすのぎしげのり作 福田岩緒 絵 ISBN: 9784904188118
どちらも「ともだち」がテーマの本。「あのとき~」は表紙の絵だけ見るとあまりかわいくないですが、怒った顔や手紙の絵がとてもいいです。
おしっこをもらす話が出てくるので、それで作文書くのいや!という女の子には、
「となりのせきのますだくん」(武田 美穂 作 ISBN:9784591039427)がおすすめです。
☆外国の作者
〈女子向け〉おじいちゃんがおばけになったわけ キム・フォップス・オーカソン 作 エヴァ・エリクソン 絵 ISBN: 9784751522783
〈男子向け〉ちびっこ大せんしゅ 作・絵 シド・ホフ 光吉夏弥 訳 ISBN: 9784477020815
「おじいちゃんが~」は死んでしまったおじいちゃんとの別れがテーマです。男の子が主人公ですが、優しい絵で女の子でも大丈夫だと思います。
楽しくて、少し悲しくて、でも温かい気持ちになる絵本です。
「ちびっこ~」はリトルリーグで一番ちびっこの男の子の話。王道の筋書きです。「チェンジアップ」などの言葉がでてくるので、野球を知っている子だとより楽しめると思います。
☆知識の本
わらう 浜田桂子 作 ISBN:9784834081756
幼稚園児のけんちゃんが、「わらう」ことについて考える絵本。
以前おすすめした「たくさんのふしぎ」より、もう少し小さい子向けの「かがくのとも」の絵本です。
小学校中学年向け
☆日本の作者
〈女子向け〉おまじないつかい なかがわちひろ作・絵 ISBN: 9784652009116
〈男子向け〉びりっかすの神さま 岡田 淳作 ISBN:9784036394609
「おまじない~」前出の通り。なかがわさんの絵本や読み物は、とっつきやすくて面白いものが多いので、他の本もぜひ手にとって見てください。
「びりっかすの~」は、先生の嫌な感じ・いじめに発展しそうな微妙な雰囲気などがすごくうまいです。だからこそ結末ですっきりします。
☆世界の作者
〈女子向け〉わすれられないおくりもの スーザン・バーレイ作・絵 小川 仁央訳 ISBN:9784566002647
〈男子向け〉新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル ラッセル・E・エリクソン ISBN: 9784566013360
「わすれられない~」は、やはり死についての本。でも「トンネルの向こうに行く」と表現され、あまり怖い描写はありません。
「火曜日の~」は、どきどきの冒険がメインですが薄くて読みやすく、「ともだち」がテーマでもあるので作文的書きどころもあります。
シリーズもあるので気に入ったらぜひ。
☆知識の本
アラスカたんけん記 星野 道夫 文・写真 ISBN:9784834010114
アラスカにホームステイしてカメラマンを志し、移住して写真を撮りながら探検した経験をつづります。
薄い本で言葉も子供向けなのに、たくさんのエピソードが詰まっていて、大人が読んでも面白い!そして写真が素晴らしい!氷河が崩れる瞬間とか、すごいです。
クマの話と写真は、星野さんの最後を考えるとなかなか感慨深いです。ぜひ大人もご一読を。
小学校高学年向け
☆日本の作者
〈女子向け〉霧のむこうの不思議な町 柏葉 幸子 作 ISBN: 9784062832069
〈男子向け〉検討中…
「霧の~」は、「千と千尋の神隠し」のヒントになった作品としても有名ですね。あくまで「ヒント」ですので、登場人物などは違います。
でも、「働くこと」「感謝すること」などのキーワードで書きやすいのではと思います。
☆世界の作者
〈女子向け〉ヒットラーのむすめ ジャッキー・フレンチ作 さくまゆみこ訳 ISBN:9784790231493
〈男子向け〉ピートのスケートレース ―第二次世界大戦下のオランダで― ルイーズ・ボーデン ふなとよし子 訳 ISBN: 9784834026672
戦争関連の話2冊。
「ヒットラーの~」は、もしもヒットラーに娘がいたら、しかも顔にあざがあって足の悪い娘だったら…というお話。
それを、「お話ゲーム」として現代の子どもが友達に話す、というのがミソで、ミステリーというか謎が隠れていそうでどんどん読み進めてしまいます。
「ピートの~」は、ドイツ占領下のオランダに住む10歳の少年が、知り合いの子どもを隣国ベルギーに逃がすお話で、こちらもはらはらしてどんどん読んでしまうのではと思います。
☆知識の本
ダーウィンのミミズの研究 新妻昭夫 文 ISBN:9784834016796
あのダーウィンが、ものすごく身近でだれもあまり注目しない「ミミズ」を、40年かけて観察し、実験を繰り返していた!
その研究を解説する、だけではないのがいいです。
動物学者の作者は、実験のその後が気になり、なんと実際にダーウィンが住んでいたロンドンの家まで行って敷地内を掘ってみるんです。
そして結論が出た、わけではなくて、疑問が続いているのがまたいいです。絵もかわいくておすすめ。
中学生向け
☆日本の作者
〈女子向け〉カラフル 森絵都 作 ISBN: 9784062173629
〈男子向け〉夏の庭 湯本 香樹実 作 ISBN:9784198613594
両方とも主人公が男の子の本になってしまいました…。
森絵都の本は面白いものが多いので安心して読めます。
「カラフル」は特に、面白く・分かりやすく・読後感がよく、男女共におすすめです。女の子が主人公だと、少し重めの話ですが、「つきのふね(ISBN:9784062092098)」がいいかな。
「夏の庭」も、友情/死/戦争などのテーマが盛り込まれた名作です。
☆世界の作者
〈女子向け〉トラベリング・パンツ アン・ブラッシェアーズ作 大嶌双恵 訳 ISBN:9784652077122
〈男子向け〉穴 ルイス・サッカー作 幸田敦子訳 ISBN:9784062096454
「穴」は、はじめはちょっととっつきにくい文章かもしれませんが、主人公スタンリーが小さな筒を掘り出すあたりから、どんどん冒険度が高くなって面白くなっていきます。
本に慣れてきた子にぜひ読んでもらいたいです。
☆知識の本
<よりみちパン!セ> おばあちゃんが、ぼけた。 村瀬 孝生 作 ISBN: 9784781690155
高校生向け
☆日本の作者
〈女子向け〉レインツリーの国 有川 浩 作 ISBN: 978-4101276311
〈男子向け〉ナミヤ雑貨店の奇跡 東野圭吾 作 ISBN-13: 978-4041014516
有川浩さんは、ちょっとはずかしくて苦手な時もあったのですが(カップルで相手の好きなところをがっつり言いあったりする…)、この本はその「相手にとことん伝える」ことが効いています。
前出のように、詳しく書くとネタバレするので、ぜひ読んでみてください。
東野さんはほんとに何読んでも面白いのですが、ミステリーはトリックをとくのが醍醐味なので、作文にはあまりむきません。
でも「ナミヤ~」は登場人物それぞれの人生が描かれているので、誰かしらに感情移入して書けるのではと思います。
あと芥川龍之介もおすすめ!短くてオチと考えどころがしっかりあって書きやすいです。
(蜘蛛の糸 ISBN: 978-4039636706・トロッコ ISBN: 978-4039636102・魔術 ISBN: 978-4039638502)
☆世界の作者
〈女子向け〉クローディアの秘密 E.L.カニグズバーグ 作 ISBN:9784001140507
〈男子向け〉検討中…
「クローディア~」は絵がかわいくないので損してます…。主人公は12歳ですが、「自分だけの秘密を持つこと」のすばらしさが重要なテーマなので、高校生ぐらいのほうがより深く読めるのではと思います。
☆知識の本
紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている──再生・日本製紙石巻工場 佐々涼子 作 ISBN: 978-4152094605
津波にのみこまれた宮城県石巻市の日本製紙石巻工場の復興をめぐるノンフィクション。
東日本大震災のノンフィクションであると共に、「本を作る紙」についても知らなかったことがたくさん出てきて興味深いです。
実際の津波の写真・瓦礫の積もった工場内ときれいにした後の工場内などの写真が巻末にあり、被害のひどさと復興させたすごさが分かります。
夏休みもすっかり中盤になってしまいました…が、もしまだ読書感想文で悩んでいる方がいましたら、参考になればうれしいですー。
コメント